2019年08月25日

名著中の名著。

いつか聴いた歌 / 和田誠著 / 愛育社

今となっては 古本屋さん でしか 手に入らないかも 知れないんだけど イラストレーター の 和田誠さん が 愛する スタンダード・ナンバー 100曲+30曲 について 書き連ねた 名著中の名著。増補改訂版 として 3度目に 発売 された本。採り上げる スタンダード・ナンバー について 著者は “主として アメリカ製の歌” で “流行歌ではない” という 基準 を 採用している。一時の人気 ではなく 誰もが知る歌 として 世の中に 定着している 曲 ということだ。そして 和田さん の 筆致 が 素晴らしいのは そこから。誰もが 知っているという 前提 を いつの間にか “こんなことも知らないの” という 上から目線 の もの言いに すり替えて 語ったり じつは 自分の 物知りぶり を 押し付けているに 過ぎない 例 は 残念ながら 少ないと 思う。本書での 和田さん の スゴさ は ほとんど 自分を 前面に 押し出さないところ だ。作者 や 歌い手、歌詞、映画 や 時代背景 を 簡潔かつ 丁寧に 書き連ねる。それでいて 文章 が 味気ない解説に なってしまわないよう “私” という スパイス を 絶妙なタイミング で サラッと 振るんだ。考えてみれば スタンダード・ナンバー を 誰かや 特定の時代 の 専有物 ではなく「いつか聴いた歌」と 意訳 できる センス に 最初から 驚かされていた。こういう本は いつでも 気軽に 購入 出来る状態 が 理想的 ですね。


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大阪へやってきた

友部正人 / 大阪へやってきた (1972)

何とも 瑞々しい デビュー・アルバム。友部さん の 歌詞 は 大上段に 構えない、偉ぶらない、奇抜な言葉を使わない、平易な文体しか認めない、日常のことしか歌わない。例えば 遠藤ミチロウさん のように 声の質 だけで 社会に揺さぶりを かけられる という タイプ でもない。どちらかというと ほんわかとした 温かみのある 丸い声質 だ。それなのに 日常生活 で 当たり前のこと として 受け入れられてきた 我々の 世界の見方 の 胸ぐらを つかみ グラグラグラ…と 揺すってくる。赤サビだらけ で 手垢のついた ポンコツな言葉 を 拾ってきては 磨きあげ 無造作に ポンと 放り捨てて いってしまうんだ。



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谷山浩子

谷山浩子 / ねこの森へは帰れない (1977)

15歳での デビュー作 から 5年の インターヴァル を 置いて 発表された セカンド・アルバム。当初から リリカルな 表現の裏に 唐突に 絶望的なヴィジョン を 垣間見せて ドキリ とさせるところは あったんだけど 本作 からの 数作の 夢幻的な響き は その奥にある 醒めた視線 に至る 激しい感情 を 聴き手 に 想起させ 表現者 としての 深み を 感じさせる。良質の少女漫画 や 童話 のように 崩れ落ちそうな 繊細な感覚 に 支えられた 緊張感に 満ちてはいるんだけど クニ河内さん の 編曲などの ファンシーな装飾 が 本作 を 聴きやすいもの にしている。次作「鏡の中のあなたへ」では 怨念にも似た 激しく 絶望的な愛 が 歌われていて 鬼気せまるものがある。


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posted by 猫蔵 at 00:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする